ストリームス Magazineバックナンバー

┃ストリームス Magazine┃ 2012/8/10発行 第188号

「ストリームス Magazine」は、毎月10・25日発行です。
■□ 今回は「電子書籍リーダー」などの情報をお届けします。 □■

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【ストリームスからのお知らせ】

このたび弊社は、8月6日より移転し、業務を開始する運びとなりましたのでご案内申し上げます。
これもひとえに皆様のご支援の賜物と深く感謝いたします。
これを機に、さらに業務の改善を図るとともに、皆さまの信頼にお応えできるよう倍旧の努力をしてまいる所存でございます。
今後とも一層のご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。

株式会社ストリームス スタッフ一同

 

残暑お見舞い申し上げます。

でも、残暑なんか、もうどうでもよくなってしまうほどロンドン五輪が熱い!

水泳、体操、サッカー、バレーボール、レスリング…。
日本はかつてないほどのメダルラッシュで、9日現在で、メダル 数は計33個になっています。

個の力より「チーム力」で勝った印象の五輪になりました。震災や不況を経て、「こんな時代だからこそ、みんなの力になりたい…」という強い思いが、一人ひとりのなかにあるのかもしれません。なでしこの決勝戦も、結果は銀メダルになりましたが、体格的には一回りもふたまわりも大きいアメリカ勢を相手に、日本らしいサッカーを見せてくれ、感動的でした。

吉田沙保里選手が金メダルを取ったニュースも飛び込んできました。
きょう10日は、シンクロや新体操、そして深夜3時45分からは、男子サッカーが、銅メダルをかけて韓国と対戦します。明日は土曜ですし、これは盛り上がりますね。閉幕の12日まで、まだまだ熱くたぎらせてくれそうです!

●[NHKロンドン五輪]
http://www1.nhk.or.jp/olympic/

+CONTENTS
┣ ネットでお取り寄せ 「涼を呼ぶ、夏の音楽」
┣ 印刷豆知識 第187回「デルゲパルカン(デルゲ印経院)」
┗ いまどきの流行りモノ 「電子書籍リーダー」

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◆◇◆ネットでお取り寄せ◆◇◆ 第188回
今回は「涼を呼ぶ、夏の音楽」

ロンドン五輪の開幕式のセレモニーは感動的でした。移民たちや、健康保険のシステム、児童文学、そしてブリティッシュ・ロック。ビートルズ、ローリング・ストーンズ、デヴィッド・ボウイ、セックス・ピストルズ、そして大トリは、ポール・マッカートニーが登場。スポーツに負けず劣らず、音楽にも、たくさんの人の心をつなぐ力があるのだと思いました。暑い夏はまだ続きます。夏に聴きたい、涼を呼んでくれる音楽を集めてみました。

●[ベンジャミン・タウブキン『A Pequena Loja Da Rua 』]
http://taiyorecord.com/?pid=45191327
●[アストラッド・ジルベルト『ザ・ガール・フロム・ボサ・ノヴァ』]
http://www.amazon.co.jp/dp/B00009KM5X/ref=cm_sw_r_tw_dp_1s2iqb1A48E20
●[noon『ワンス・アポン・ア・タイム』]
http://www.amazon.co.jp/dp/B005I7AQGI/ref=cm_sw_r_tw_dp_kx2iqb01TA1E7

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◆◇◆印刷豆知識◆◇◆ 第187回

「デルゲパルカン(デルゲ印経院)」

第186回のこのコーナーでは、「木版印刷の歴史―世界最古の印刷物と印刷書」として、東チベットにある「デルゲパルカン(デルゲ印経院)」を取り上げました。

「デルゲ」は地名で、「パルカン(印経院)」というのは、経典などを印刷する大寺院のこと。中国四川省のガンヅチベット族自治州のデルゲ県にある、印刷工房を生業とする寺院で、ここではいまもなお、木の版木と木版技術を使って、チベット語の文献や絵画を製作しています。

しかし、パルカンのある東チベットは、標高3000〜3500mの山あいに人々が暮らす、独自の文化をもつ山岳地帯。デルゲパルカンという名前も、手刷りの木版印刷が続けられていることも、残念ながら広く一般には伝えられていませんでした。

この素晴らしい印刷文化が知られるようになったのは、『活きている文化遺産 デルゲパルカン』(池田巧、中西純一、山中勝次著・明石書店)という一冊の本がきっかけでした。

1994年にチベットでフィールドワーク(現地調査)をしていた中西純一さんは、長年行きたいと願っていた「デルゲパルカン」を実際に観て、その壮大な印刷文化のシステムに魅了されました。そこから始まったデルゲパルカンの調査を一冊にまとめたのがこの本なのです。

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朝。巨大な大寺院のなかに、一日の印刷枚数2500枚の紙を抱えて、印刷工たちが寺院に入っていく。その紙は、自生する草の根を煮込み、石臼に入れて叩き、繊維を分散させて天日に干して作られたチベット紙だ。寺院のなかでは、版木を彫る者、印刷する者、校正する者などに分かれ、作業をする。

デルゲパルカンで印刷を行うのは、毎年4月下旬から10月下旬にかけて。最低気温がマイナス15度までになるデルゲの冬は寒さが厳しく、版木の溝の間でインクが凍ってしまうと、氷になるときに容積が増えて割れ目ができ、版木が使えなくなってしまうのだ。

※※※※※※

本の巻頭には、30枚ほどの写真が掲載されているのですが、この写真を見ているだけで、チベット文化の奥行きに目を奪われてしまいます。

経典を印刷する作業は神聖な行為なので、たとえチベット人であっても写真撮影は厳禁で、外国人に許されるはずもなかったのだといいます。許可されたのは、「パルカンの写真は、外国にデルゲパルカンの文化的な価値を知らしめる力がある」と説得した、著者の一人、中西さんの熱意があったからでしょう。

中西さんたちは現地取材をし、さまざまな角度からデルゲパルカンをわたしたちに伝えてくれています。現地取材といっても簡単なことではありません。デルゲは、四川省のもっとも奥まったところにあり、伝統的なチベットらしい風景が残る、いわゆる秘境と呼ばれるエリア。初めて現地に行ったときには、四川省の省都、成都からデルゲまで約1週間かかったそうです。

現地でのフィールドワークを通じ、印刷作業という伝承技術と、それをとりまく生業システムは強く心に残ったようです。そして、印刷工程などを詳しく取材するうち、このままじっとしていても、パルカンを維持していくことはできない。なんとか多くの人にパルカンを知ってもらい、経典や絵画を買ってもらって収入を増やすなどしていかなければならないのを感じたそうです。

そして、パルカンをどうやって存続させていくかを真剣に考えはじめます。
世界文化遺産に登録されるのがもっともよいと思われるものの、問題があります。それぞれの登録国が申請するのですが、2千年の歴史をもつ中国には文化遺産が各地に多数あり、歴史的に古いものから申請しているというのです。しかも、すでに登録されている件数が多いため、厳選されつつあるということです。

これまでの「文化遺産」は、どうしても古さや華やかな外観に目が行きがちだけれど、死んだ文化に重点を置いていたのでは、活きた文化を守れない。文化とは本来、地域の自然環境に根ざしたなかで発生し、育まれたものであり、建造物や、限られた建築群を残すだけでは、文化の保存と発展にはつながらない、いま、活きている、この「生業」をこそ、残していく必要がある。

《文化遺産の究極の形は、象徴となる建築物や集落を核にして、周辺地域の自然と人間の営みがセットになった保存ではなかろうか》と、中西さんは書いています。
《世界の印刷史のなかでも、一時代を築いた木版による手刷り印刷に必要な、すべての行程とシステムがいまも続いていることにこそ、価値がある》のだと。

デルゲにいる匠たちは、日本でいうならさしずめ、人間国宝で、彼ら自身と彼らの作品が結びついてこそ、文化的な価値がある。中西さんの言うように、《文化は活きている》のです。

それは、わが日本でも話題になっている、文楽などの古典芸能の継承という問題とも通じるところがあるのではないでしょうか。《活きている文化》があるのなら、保護されるべきなのではないかと思います。その文化が活きつづけられるように。

(引用と参考:『活きている文化遺産 デルゲパルカン』池田巧、中西純一、山中勝次著・明石書店)

次回は、「ウェブ時代のデジタル豆知識」第5回をお届けします。

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◆◇◆いまどきの流行りモノ◆◇◆ 第185回

「電子書籍リーダー」

電子書籍端末市場、出版業界がざわついています。
米アマゾンが、日本のAmazon.co.jpで、「Kindle(キンドル)」を近日発売すると発表し、それを視野に入れ、楽天が、カナダ発のeBookプラットフォーム「Kobo(コボ)」を買収し、電子書籍戦線に参入したのです。
発売されたばかりの楽天の「Kobo」は、「次なるガラパゴスをつくってはいけない」を合言葉に、「オープンなプラットフォームである」ことを強調しています。世界中の誰もが単一のストアからすべての本にアクセスできることが「Kobo」の特長で、「Kobo」を買わなくても、アプリを通じ、パソコン、スマートフォン、タブレットでも同じ本を読むことができるというのです。価格も7,980円と抑えられているので、「これなら使ってみよう」と考える方も多いはず。
今はまだ、肝心の「本」の品数が少ないのが最大のネックになっているようですが、電子書籍を扱うサイトも増え続けているので、「Kindle」の発売とともに、一気にエンジンがかかるかもしれません。
電子書籍リーダーとしては、SONYがすでに一定のユーザーを獲得していますが、夏の陣でどう変わるか。まずは、「Kindle(キンドル)」待ちですね。「近日発売」の文字に数字が入るのももうすぐか? と思っているのですが…。

●[KOBO]
http://kobo.rakuten.co.jp/

●[kindle]
http://www.amazon.co.jp/gp/feature.html/ref=amb_link_64552409_1?ie=UTF8&docId=3077662956&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_s=auto-sparkle&pf_rd_r=61EBD3EB151A4E3EB8F4&pf_rd_t=301&pf_rd_p=116077989&pf_rd_i=kindle

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◆◇プレゼント◇◆
「鶴屋吉信 京観世」を1名様

最後までお読みいただき、ありがとうございます。恒例のプレゼントコーナー。
プレゼントのご応募は下記URLより直接お申し込みください。
http://www.streams.co.jp/present/

【締め切り:8月22日】
※当選された方にはメールでお知らせし、サイト上でハンドルネームを公開します。

メルマガについてのご感想もお待ちしております。
st@streams.co.jp

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◆◇プロモーションツールのご案内◆◇

ストリームスでは、皆様のイメージを形にするために、クリエイティブの領域を広げていきます。
バナーやタペストリー、大判プリントの制作に対応できるようになりました。
詳細は弊社ホームページにてご確認下さい。
http://www.streams.co.jp/index.html#promoLink

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_|_| 編集後記 _|_|

オリンピックの日数もあと少し。
観ていて思うのはオリンピックはやはり普通の大会とは違うんですね。
体操の内村選手のように国際大会で何度も優勝してあまりプレッシャーを感じないと言っていてもいつもの演技ができずにいましたし、ノーマークの選手が自己記録を更新してしまうほど限界を超えて活躍してしまう選手もいます。
ただ、頑張っている姿を観ていると自分よりも年下のはずの選手たちがとても人間的に深みを持っているように見えるのはやはり苦労とプレッシャーに打ち勝って限界を超えて挑戦しているからなんですかね。
そのような姿勢を少しでも見習っていきたいものです。がんばれ日本!!

とりあえず、明日から自分に厳しくなろうと密かに思う佐々木
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【メール通信「ストリームス Magazine」】第188号

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