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2017.07.10

ミュシャの大作、スラヴ叙事詩

もう終わってしまいましたがミュシャのスラヴ叙事詩を見に行った感想です。サイズは小さいものでもおよそ4 × 5メートル、大きいものでは6×8メートルに達する大作20作が展示されるのは世界初です。

 

 

 

 

 

 

 

 

最初はこれほどのサイズの絵なので一番良い鑑賞距離がわからず戸惑いました。
近くにより過ぎると映画館の前列に座ってしまったかのように全体が見渡せない。10mくらいは離れないと全体の色調もしっくり来ない。このサイズの圧倒的な迫力は初めての経験でミュシャは城をアトリエにして描いていたらしいですが、この会場さえもこの作品を展示するには狭い印象でした。(画像はwikipedia)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗過ぎかなと思った色調やのっぺりした印象に見える色使いもベストだなと思う距離に立つと急にしっくりハマりその場にいるような雰囲気に感じられました。
人物描写はモデルを雇っていたのは知っていましたが、建築物や小物、服装などはどのようにモチーフを調達していたのだろうと思いながら観賞していく中で、サラのポスター時代からスラヴ叙事詩に至るまでの仕事内容も展示されており、装飾などを植物などのデッサンからマイ素材集のような形でのストックと、建築や舞台演出、装飾品や服飾など様々なデザインをしており、ミュシャの素材デッサンストックの中に舞台用の美術や建築などもあったのだろうと思いました。

ポスターも徐々に写実的な油彩のポスターや装飾品に変化していき、仕事のすべてが最終的にスラヴ叙事詩に繋がっていたのだなと理解。これだけの仕事の量と幅を一人で行い、さらに美術品として展示できるクオリティの高さは感嘆。ここまでやられると現代のデザイナー、イラストレーター、画家、建築デザイナー、服飾デザイナーはどうすればいいのか。生頼範義、天野喜孝、宮崎駿、宮本亜門、藤島康祐、ザハ・ハディッド、佐藤可士和を一人でやっているような印象。とにかくこれほどのスケールの展示会はあまり観られないと思うので観賞できてよかったです。 

 

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